前立腺がん手術、勃起神経切除は排尿に影響?リハビリで回復できますか。

今回、前立腺癌起因による前立腺摘出の手術を予定しています。その中で勃起神経をどうするかの話しがでました。年齢的に勃起の機能は重要視しないですが排尿のコントロールに関して大きない障害が発生することは避けたいです。一方、今後の再発の心配をなくするために勃起神経の削除も必要かと思いはします。
癌の状況としては生検の結果は18本中2本で発見(右側に集中)トータルPSAは5.01hです。
相談は勃起神経を削除した場合、排尿に関して問題が発生するかということ、リハビリ等で回復できるのかということです。また、そもそも勃起神経を削除すべきなのかということもあわせてお聞きしたいです。

user うろうろドクター

>癌の状況としては生検の結果は18本中2本で発見(右側に集中)トータルPSAは5.01です。
→状況としては、左側の勃起神経温存は可能な状況なのだと考えます。

>相談は勃起神経を削除した場合、排尿に関して問題が発生するかということ
→勃起神経を切断すると必ず尿失禁が起こるわけではありませんが、温存した方のほうがやや術後尿失禁の程度がよいという研究結果はあります。

>リハビリ等で回復できるのかということです。
→EDについてはあまりリハビリで改善するものではありませんが、術後の排尿(尿失禁)については、骨盤底筋体操で回復が期待できます。

>また、そもそも勃起神経を削除すべきなのかということもあわせてお聞きしたいです
→前立腺がんは全摘してみると生検ではでていなかった左側にも実際にはガンがあった ということは実際にはよくあります。その意味で、根治性を高めるのであれば
神経温存をしない選択肢はありだと考えます。どちらかといえば勃起を少しでも温存したい方が期待をもって神経温存を行うことが多いです。(神経温存してもEDになることはよくありますが。)

user ひな夫

生検で右側に2本の陽性所見であれば、左側の勃起神経温存の適応になると思います。両側勃起神経非温存との比較で片側勃起神経温存の方が、尿禁制(失禁しない機能)については有利に働きます。ただし尿禁制の決定付けるものは、勃起神経よりも前立腺尖部での尿道切断の技術(尿道括約筋をしっかりと同定し、尿道をしっかりと長めに残す)と尿道膀胱の吻合操作が重要です。いかにロボット支援手術といえども、これらの尿道切断と吻合操作には、執刀医のスキルで如実に差が出ます。
私は当サイトの前立腺癌の治療選択に関するご質問には「迷ったら放射線療法」をお勧めする立場です。最大の理由はこうした術後の尿失禁については、「ヒューマンエラー」の関与する余地が大きいからです。

本内容は病気の治療の根拠として使用できませんので、その点を十分に理解し、医療機関を受診するかどうかはご自身で判断し、リスクは自己負担でお願いします。